歯科矯正用アンカースクリュー
歯科矯正用アンカースクリュー
最近「矯正治療で使用するインプラントを扱っていますか?」という質問を受けるようになりました。当院は歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療を取り入れていますが、適応症を選んでいます。
歯科矯正用アンカースクリューは歯を動かすために大変有効な装置で、通常のインプラントの手術と比較すれば簡易で、矯正治療後に撤去します。
以前は、歯科矯正用アンカースクリューに用いる材料は、骨結合の材料として厚生労働省の認可を取得しているものの、矯正用に用いる場合は認可されていませんでした。現在は、歯科矯正用アンカースクリューとして認可されています。
当院は歯科矯正用アンカースクリューが認可されても、これまでと同様に適応症を選ぶ姿勢は崩しません。通常のインプラントの手術と比較すれば簡易とはいえ、骨の中に異物を埋入することには変わりなく、歯根を含めた周囲組織を傷つける可能性は残るので、安易に歯科矯正用アンカースクリューを打ち込む事もありません。
歯科矯正用アンカースクリューを用いなくて済むなら使用しないのが当院の基本姿勢です。
逆に、歯科矯正用アンカースクリューを用いると決めたなら、しっかり治療計画を立てるため、歯科用CTを含めた精査を行い、より確実に治療を進めます。(この場合、歯科用CTによる精査の費用はかかりません。)
また、当院は、成長期のお子様に歯科矯正用アンカースクリューを用いず成長を活かした矯正治療を行えます。逆に、歯科矯正用アンカースクリューを用いることで成長の妨げになる可能性がある、もしくは歯科矯正用アンカースクリューが脱離しやすいなどの理由から、歯科矯正用アンカースクリューを使用することはありません。
費用:
55,000円(税込み)/1部位
38,500円(税込み)/2部位目以降
歯科用CT精査:無料
脱落し、再度矯正用インプラントを使用する場合:無料
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。