当院、院長による実際の症例で説明させて頂きます。
叢生(乱ぐい歯・八重歯)
歯の並びが不規則で前後左右にでこぼこしている。
歯並びが整うための重要な条件として、あごの大きさ、歯列のアーチ全体の大きさ、この両方のバランスが取られていることが挙げられます。
歯列がでこぼこと波打っている状態の叢生(そうせい)は、あごの大きさが十分でなく、このバランスが取れていない場合に起こりがちです。
電車で7人がけの座席に無理に8人も9人も座ろうとする場合を考えてみてください。当然、スペース的には窮屈で、座席に深く腰掛ける人と浅くしか腰掛けられない人という具合に、互い違いにでこぼこ状態で座らざるをえません。これと同じ現象が歯でも起こるわけです。
こうしたでこぼこを解消するには、あご(=座席)を大きくするか、抜歯して歯(=乗客)の数を減らすか、本人の年齢や歯並びの状態など個別の条件を勘案したうえで、いずれかの方法を選択することになります。写真の症例では、第一小臼歯を抜歯することによって、残りの歯がきれいに並べるだけのスペースを確保したうえで、矯正治療を行っています。
叢生+上顎前突+過蓋咬合の抜歯症例
歯並びがでこぼことしてガムラインもかなり乱れた典型的な叢生。それと同時に、上顎前突と過蓋咬合の状態をも伴った三重の不正咬合。噛み合わせにもかなりの不都合が生じているはず。

第一小臼歯を抜いてスペースをつくり、歯を移動、乱れた歯並びがきれいになりました。

1. 叢生と合わせて上顎前突、過蓋咬合も矯正
2. 目立っていた歯と歯の間のすき間も解消
3. アーチ全体もきれいな孤を描いて見える
4. 互い違いだった前歯の並びが整然としている

5. 治療前と比べ、カメラに向かう表情も自然と明るく
6. 笑顔の口元がより自然に、きれいな歯並びがのぞく
7. 横から見た口元の美しさにも歴然とした差が表れた
上顎前突(出っ歯)と過蓋咬合
上の前歯が極端に前方に突き出ている(上顎前突)
下の前歯が上の歯で隠れるほど噛み合わせが深い(過蓋咬合)
噛み合わせたとき、上の歯が下の歯よりもわずかに外側にくる状態が理想的な歯並びの条件のひとつ。前歯では、上が約2ミリ程度下にかぶさる格好で前に出ているのが望ましいとされます。ちょうどハサミの両刃の構造のように、この若干の重なりが、ものを噛み切るという働きの決め手です。
しかし、その度合いが極端になると、不正咬合となります。
遺伝要因や、指しゃぶり、下唇をかむといったクセなどが原因で、上の前歯が前方に過度に突き出ている、俗にいう出っ歯の状態は、外見的によくないだけでなく、もの噛み切るのにも不適切。
また、噛み合わせの深度が深すぎ、上の歯が下の歯を覆い隠すような(過蓋咬合)では、下の歯が上の歯の裏側の歯肉に接触してしまうケースもあります。
上顎前突では口を閉じた状態でも上の前歯が少し見えてしまったり、口の上あたりが出っ張って見えたりすることがありますが、矯正治療によって、そうした口元の表情も見違えるほどスッキリして美しくなります。
上顎前突+過蓋咬合+下顎叢生で成長発育を応用した非抜歯症例
上の前歯が突き出した上顎前突(出っ歯)で、それが下の歯に深くかぶさってしまう過蓋咬合でもある。下の歯には叢生も見られる。過蓋咬合は上顎前突にともなって見られるケースが比較的多い。

上と下の歯が適正に噛み合い、隠れ気味だった下の歯がほぼ見える状態になりました。

1. 前方に傾いて生えていた前歯がまっすぐに
2. バラバラだった歯の高さも全体的にそろった
3. 上から見た下の歯列もきれいなアーチ型に
4. 前歯の見え方が治療の前後でまったく違う

5. 口元がスッキリしてきれいなエステティックラインに
6. 口元がスッキリとした印象に。結んだ唇の形も自然
7. 歯の見え方が治療前と比べ見違えるほど美しくなった
反対咬合(受け口)
噛み合わせたとき下の前歯が上の歯より前方に出ている。
本来、上の歯がわずかに下の歯より外側にあるのが望ましいのと反対に、下の歯の方が外側に張り出している状態が、反対咬合。俗に「受け口」とも呼ばれる状態です。
遺伝的な要因のほか、上唇をかんだり、舌を突き出すといったクセによって、反対咬合となることが多いようです。
歯の生える角度によって、すなわち、上の歯が内側に、あるいは下の歯が外側に傾いて生えている状態(その両方の場合も)による歯性反対咬合と、下あごが長く伸びすぎて突き出ている骨格性反対咬合とがあります。
前者は、歯列矯正治療によって比較的容易に改善することができます。
後者の場合、あごの骨格的な問題が関係しているため、歯並びの矯正というよりも、フェイシャルマスクなどの装置を使ってあごの骨格の発達をコントロールしていくことになります。すでに骨格が固まっている成人の場合は、歯列やあごの矯正だけでは対処できず、外科的手術の併用が必要になってくるケースもあります。
反対咬合+上顎叢生で成長発育を応用した非抜歯症例
下の歯が上の歯よりも外側に突き出た反対咬合(受け口)を起こしている。同時に、上の歯と下の歯とで左右方向にずれが生じている顎偏位の状態も。さらに上の歯列は少しでこぼこした感じがあり、叢生になっている。

永久歯を抜かずに、顎の骨を拡大し、乱れた歯並びがきれいになりました。

1. 上の歯がわずかに外側にくる理想の咬合に
2. 上の歯に見られた叢生もきれいに解消された
3. 下の歯列のアーチ型が内側に引き締まった感じ
4. やや内側に傾いていた上の前歯がまっすぐに

5. 唇の見え方、口元の印象が全体的にスッキリした感じ
6. にっこりしたときに下の歯まで見えていたのが解消
7. 突き出していた顎が引っ込み、きれいなラインに
開咬(オープンバイト)と交叉咬合
上下の前歯が噛み合わず、すき間が生じている(開咬)
上下の歯の噛み合わせが左右にずれている(交叉咬合)
奥歯を噛み合わせたときに前歯の上と下が接触せず、すき間ができてしまっている状態の開咬(オープンバイト)。それに加え、上の歯と下の歯の噛み合わせが左右方向にずれている交叉咬合(顎偏位)にもなっている。
噛み合わせ時に奥歯が先にあたってそれ以上閉じられず、上下の前歯が接触せずにすき間が生じている状態が開咬(オープンバイト)です。
噛むとき奥歯だけに負担がかかり、前歯で噛み切るという機能が使えないので、外見的な面だけでなく、それ以上に歯や顎への負担、咀嚼能力という面で問題を抱えてしまいます。また、すき間ができていることで発音がうまくいかなかったりします。
遺伝的な顎の形が原因となることもありますが、舌や唇、ほおの筋肉のバランスが悪いことや、指しゃぶりや舌を突き出すクセなどが影響して、幼児期から少しずつ顎の骨の変形や歯の移動が起こり、時間をかけて次第に形成される場合が多いようです。
指しゃぶりや舌のくせがある場合には、適切な装置を用いてなるべく早期にそれらの影響をなくし、成長期間中は、必要に応じて上下の顎の成長を管理しながら、正しい噛み合わせにします。成長の終了後に、装置をつけて永久歯による最終的な正しい歯並びと噛み合わせを獲得します。
開咬+交叉咬合の症例
奥歯を噛み合わせたときに前歯の上と下が接触せず、すき間ができてしまっている状態の開咬(オープンバイト)。それに加え、上の歯と下の歯の噛み合わせが左右方向にずれている交叉咬合(顎偏位)にもなっている。

上と下の前歯が接触してきちんと噛み合い、治療前のすき間がなくなった。

1. 横から見ても目立っていたすき間が解消した
2. 上1本に対し下2本の望ましい噛み合わせに
3. 上の歯と同様、左右のずれが解消されている
4. いびつな歯列アーチが左右対称的になった

5. 真一文字だった唇の両端がアップし自然な美しさに
6. 左右のねじれが解消され自然な口元の笑顔が実現
7. エステティックラインは従来からの美しさをキープ
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